郷愁と四季に安らぐ、和のリゾート
場所
リゾート施設や旅館の再生で知られる星野リゾート。中でも「界」は地域に根ざした季節・素材にこだわりサービスを提供する。そんな「界」が舘山寺にもある。地元を再発見するという意味でも「界」のサービスは私たちに問いかけてくるものがある。
郷愁と四季に安らぐ、和のリゾート
そもそも贅沢とはなんだろう。
お金を使うのも一つだが、日々酷使される体や五感の疲れを和らげ、ゆるりと休ませるのも贅沢の一つ。選択肢は十人十色。何を選ぶも自由。肝心なのは訪れる先に、記念日を素晴らしい思い出にしてくれるだけの「特別な何か」があるかどうか。
開業100年を迎え、数多の客人をもてなしてきた星野リゾートが舘山寺に営む『界 遠州』は、風情ある日本の趣を大切にしつつも、現代的で洗練されたしつらえを施し、2013年にリニューアルオープンした温泉旅館。コンセプトは「和心地」。四季を感じる空間と、永い歴史の中で培われてきたホスピタリティで、訪れる人々の心身を和ませる。
湖畔の木々に囲まれた敷地に悠然と構える玄関口を抜けると、風雅な装いの館内が顔を見せる。入り口からしてすでに、特別感は十分。全国に点在する 界 のウリは、食や文化など、その土地々々の魅力を最大限に活かしたもてなし『ご当地楽』。期待を胸に、館内を巡ってみよう。
贅を尽くした時間が、ゆるやかに流れる
まずは客室。扉を開けると、茶香炉の芳醇な香りが癒しを誘う。和を基調にした室内は、館内と同様に、遠州縞 と呼ばれる独特の縞模様が美しい地元の工芸品『遠州綿紬』が随所に配されている。衣服にすれば着るほどに肌になじむと言われる織物だけあって、高級感の中に柔らかな印象を見事に含ませている。大きな窓からは浜名湖を望み、一日中部屋で寛げそうだ。
食事処は2階の『京丸牡丹』。旬の食材を生かした、などと在り来りの説明はよそう。全国各地で腕を磨いた料理人が、こだわりの調理法で名物のトラフグや鰻を仕立てるのだ。味のほどは、言わずもがなである。
フロントと同階にあるライブラリーでは、県内選りすぐりの茶屋・茶農家から仕入れた、12種類の茶葉を嗜むことができるほか、温度や淹れ方を変えて茶の奥深さを味わい、知識を学べる講座も毎日催される。
温泉はもちろん舘山寺の源泉から。中庭では季節により、茶会や手筒花火が行われ、ほとんどの客が館内から出ることなく一日を過ごす。
全国から旅客が訪れる『界 遠州』には、近場の客も存外多いという。静謐な空間で心温まるもてなしと、地元の恵みを享受する。住む土地の素晴らしさを見つめ直すことは、自分たち自身を見つめ直すこと。それは、記念日にこそふさわしい時間。
星野リゾート
界 遠州
浜松市西区舘山寺町399-1
TEL: 050-3786-0099
(界予約センター)
チェックイン:15時
チェックアウト:12時
関連リンク